TG’s Moment – Vol.5
tokyo grapherの技術を結集したレンズ構成

今から200年余り前、世界で初めての写真が木箱型カメラで撮影されました。当時、1枚の写真を撮るのに8時間も掛かったと伝えられています。
その後、カメラの歴史は、探究心に富んだ芸術家や技術者によって格段の進歩を遂げてきました。特に産業革命以降の発展は目覚ましく、世界の技術者達は写真の高画質化と並行して、いかに素早く手軽に撮影ができるようにするかに注力してきました。そして1975年、それまでの写真の概念を全てひっくり返すようなエポックメーキングが起こります。そう、デジタルカメラの発明です。200年という写真の歴史の中、後半のわずか40年という時間で写真撮影は大きく様変わりしました。
このデジタルの技術は、写真というものを人々の身近な存在にしました。携帯電話に内蔵されたカメラに始まり、iPhoneに代表される高機能カメラを搭載したスマートフォンが世界を席巻するブームとなった昨今、日常の様々な瞬間をSNSを使って写真で家族や友人と共有することが、人々の生活に浸透したのです。
SNSの普及と進化もめまぐるしく、インスタグラムのような写真共有のアプリケーションは、撮影〜編集加工〜投稿・共有までをワンストップでフルカバーしました。

私達tokyo grapherは、このiPhoneの「高性能で機動性に富んだカメラ性能」と「カメラ機能に終わらない連携性」という2つの魅力と可能性に注目しました。
iPhone用レンズを開発する上で、特にこの「機動性」はきわめて重要なテーマとなりました。コンパクトかつ高画質・高解像度という、常識では矛盾するように思える2つをひとつのレンズのカタチに結実しなければならなかったのです。

カメラレンズは、通常、光を集める凸レンズと光を散らす凹レンズを組み合わせることにより、光を集合・拡散させながら被写体をイメージセンサ上に結像させます。
この凸と凹のレンズをどの様に組み合わせるか、また、数百種類あるとも言われる光学ガラスからどのガラスを採用するかによって、レンズの性能や特性は大きく変わります。
現在、世の中に出回っている外付けレンズの大半は、ひとつの共通レンズをベースにして、1〜2枚をプラスアルファする方法で、ワイドやフィッシュなどの効果や画角を出しています。この製造方法は、低コストでワイド風、フィッシュアイ風の効果を得ることができる反面、画像周辺部の解像度やコントラスト、色収差などの光学的な性能はほとんど最適化されておらず、高画質な写真を求めるには無理があると言えるでしょう。

実際にISO規格の解像度チャートを使って(iPhone6sで撮影)tokyo grapherのレンズと他社のワイドレンズを比較してみましょう。このチャートは細かく配列された線の本数を読み取ることにより解像度を判定し、黒塗り部分で色収差などを評価することができます。

こちらは他社製品ワイドレンズで撮影した解像度チャートの画像です。全体的にもやっとした印象で細かい部分の線は潰れてしまい本数を読み取ることができません。また、黒塗り部分の縁が青っぽく見えるのでカラーシフトが発生していることがわかります。

こちらはtokyo grapherワイドレンズで撮影した解像度チャート画像。ワイドレンズ特有のディストーションはあるものの細かい線の本数を数えることもでき、カラーシフトも発生していないことが読み取れます。

tokyo grapherは、2016年4月現在3種類のレンズをリリースしています。
フィッシュアイとワイドに使用した光学ガラスは各4枚、マクロは1枚のレンズ構成です。ちなみに、フィッシュアイとワイドに使用されているレンズのうち、各2枚は材質の異なるガラスを貼り合わせた接合レンズを使用。それにより色収差を最小限に抑えています。
この合計9枚のレンズパーツは、どれもが3種類それぞれのレンズのために設計されており、ひとつとして他のレンズのパーツとして共用することはできません。
様々な研究の結果、tokyo grapherが追究する「最高の画質と解像度」を実現するためには、9種類のレンズを設計・開発する必要があったのです。
次回、最終回は、高性能レンズを手軽に持ち運ぶことのできる筒状の収納ケースについてお話します。なぜこんな形状にしたのか…? そこには、tokyo grapherを立ち上げるきっかけとなった、あるストリートカルチャーとも言えるスポーツが関わっています。

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