香港写真旅行記 Vol.2
九龍エリア編
国内外で活躍するInstagramerのJohnnyさん(@johnny777)が1週間の香港〜深圳旅行へ。
訪れた場所を3つのエリアで分け、旅の道のりとともに撮影した写真を見せていただきました。第二回は九龍編。
香港のインスタグラマーをガイドに、有名な写真スポットからディープな街並みまで、tokyo grapherのアタッチメントレンズとともに巡っていただきました。
九龍エリア
さて、前回の香港島から海を渡って九龍エリアの
尖沙咀(Tsim Sha Tsui)周辺:半島の地域
石硤尾(Shek Kip Mei)周辺:九龍半島より北で獅子山(Lion Rock)までの地域
九龍湾(Kowloon Bay)周辺:九龍湾沿いの観光客があまり行かない地域
の3箇所を巡っていきましょう。
尖沙咀(Tsim Sha Tsui)周辺
ここは九龍半島の部分で、ベイエリアは香港島の中環(Central)と同じ様な雰囲気がありますが、北に進むにつれて道路にせり出した看板が見えて「これぞ香港!」という雰囲気になってきます。
尖沙咀(Tsim Sha Tsui)周辺での一番のお目当てはザハ・ハディドが設計した香港理工大学です。
彼女ならではの直線と曲線がうまく絡み合った写欲をそそられる建築です。
幅が狭い階段だったので超広角レンズをつけて撮影することで遠近感が強調され奥行きを感じる写真が撮れました。
写真に写っている彼は香港のインスタグラマーのティミー(@timmy727)です。
西野カナが大好きでコンサートの度に何回も来日していて僕よりも日本各地を旅行しています笑
大学を出て北西に進んで見えてきた金色の建物は中港城(China Hong Kong City)です。
ご覧下さい。この金色に輝く建物で切り取られた十時の空を!
超広角レンズをつけてルックアップして撮りたくなりますよね?
ここから歩いて数分のところに、今年竣工したばかりの戯曲中心(Xiqu Centre)という中国オペラ専用の劇場があります。
このスケール感!
日本ではなかなか感じることができないです。
●旺角(Mong Kok)
戯曲中心(Xiqu Centre)から3キロ程北上して旺角(Mong Kok)というところに辿り着きました。
赤い屋根のバスはミニバスと呼ばれ個人経営で24時間走ってることも多いらしいです。 夜はお客さんの争奪戦がヒートアップします。
旺角(Mong Kok)では路面店がずっと道沿いに連なっています。
フェイク品や質が悪い品が多いのでここでモノを買っちゃいけないよとこの日一緒に行動していた香港のインスタグラマー、キャンディ(@flosslai)もティミーもアドバイスしてくれました。
この照明、日本だとパチンコ屋かなと思いますよね。
ここは香港です。
パチンコ屋ではなく麻雀店なんです。
昔、TV番組で香港の人は結婚披露宴が始まる前まで麻雀大会が行われるというのを見た記憶があったので、キャンディに本当かどうか聞いてみました。
「はい、確かに香港では結婚披露宴の開始まで麻雀大会が行われています。
でも、最近は結婚式のスタイルも色々なので麻雀大会がないこともあります。」
とのことでした。
因みに、キャンディも麻雀をよくするし強いそうです笑
ネオンの看板はとても魅力的ですが、数年前の台風で多くの看板が破壊されてしまった様で以前より数が少なくなっているし、ネオンからLEDに変える店も増えている様です。
石硤尾(Shek Kip Mei)周辺
次は九龍半島より北で獅子山(Lion Rock)までの石硤尾(Shek Kip Mei)周辺です。
このあたりは住宅街で団地が多く、観光地の雰囲気が無くなってきます。
ここは南山邨(Nam Sham Estate)という団地の中庭です。
しかも商店街の屋上なんです。
ここでは横構図でWIde Lensを使って下から見上げることで、広さと高さを強調しています。
ここは賽馬会創意藝術中心(Jockey Club Arts Centre)という香港アートの未来を担う人々にオフィスやスタジオを提供してサポートしていくことを目的でリノベーションされた建物です。
ガラスの屋根を支える梁の影が斜めに落ちてきてとても印象的でした。
インスタでよく見る構図で撮りたかったのですが、有名になりすぎたのか残念ながら立ち入り禁止の柵が設けられて撮影できませんでした。
しかし!
幸運にも別のいい場所を見つけられたのでよしとしましょう!
中庭になっている場所があり、梁の影がいい感じに斜めに降りて来ていました。これは“あれ”を撮るしかありません!笑
キャンディに影の角度に合わせて体を傾けてもらいました。体幹がしっかりしてますね!
続いては人気香港私立大学のメディアセンター(Run Run Run Creative Media Centre)です。
駅から少し離れていて、山の途中にあるので坂道を1kmほど歩かなくてなりませんでした。
とてもユニークな形をした建築で、ここもインスタグラマーには人気の場所です。
ここでもWide Lensを使用して撮影しました。
iPhoneを上下逆にしてレンズを地面すれすれにしながら、少しだけ上に向けて撮ると映る地面の割合が小さくなって、建物を強調することができます。
大きな建物と小さな人のスケールの対比を出した、Wide Lensの特性を活かした一枚です。
●彩虹邨(Choi Hung Estate)
最後はここ!
カラフルな外壁とバスケットコートで人気な彩虹邨(Choi Hung Estate)という団地の中庭です。
行ってみて分かったんですが
実はここ、駐車場の屋上なんです。
土地が少ない香港はこの様に限られたスペースを有効活用しているんですね。
ちょうどいいところにバスケットボールをやっているおじさまが2人いるではありませんか。
近づきすぎると緊張して手元が狂うだろうと思い、 Tele Lensを使ってシュートする瞬間を撮影しました。
※シュートは外れました笑
とそんな時、突然後ろから「Excuse me?」と女性の声が。
タイから来た大学生の女の子に「写真を撮ってもらえませんか?」とお願いされて写真を撮ってあげると、あなたの写真も撮ってあげるからジャンプしてよとリクエストが笑
ご覧ください、このジャンプ力を!この引きつった笑顔を!笑
この様なジャンプ写真は下からあおって撮ると実際より高く飛んでる様に見えますよ!
●彩虹(Choi Hung)の市場
彩虹邨(Choi Hung Estate)の近くに市場があったので行ってみたんですが、これまた独特の雰囲気が漂う場所でした!
一番の衝撃は上半身裸で解体された豚肉を運んでいる姿です。笑
無造作に並べられた?積まれた?豚肉をトングで物色するおじさん。
国違えば習慣も違うということですね。
市場では Tele Lensをつけっぱなしで撮影しました。人混みでなかなか被写体に近づけない場合は Tele Lensが活躍します。
九龍湾(Kowloon Bay)周辺
続いては九龍湾沿いの観光客があまり行かない地域の九龍湾(Kowloon Bay)周辺に行ってみましょう。
●土瓜灣(To Kwa Wan)
まずは土瓜灣(To Kwa Wan)というカラフルな古い建物が多く、昔の香港の雰囲気が残っている場所です。
天気が良ければ青空の下で鮮やかさが際立っていたでしょうが、この日もあいにくの曇りでした。
この地域は車の修理工場や塗装工場が建物の1階部分に軒を連ねていて、路地も似た様な雰囲気なので、ナビ無しで適当に歩いていると迷子になってしまうので要注意です。
ぶらぶら街をさまよっていると、ふとしたタイミングで日常のワンシーンにある”いい瞬間”やなんだこれっ!?というものに遭遇することができます。
雨が止んでいたのですが、スマホに夢中で気づいていない人や壁からは生えた生命力溢れる木、ガラスの窓から街の様子を伺う猫、顔写真にぎっしり書き込まれたツボの名前。
こういったもに遭遇できるので、旅行の工程をきっちり決めるのでなく、街の雰囲気を感じながら彷徨う様にしています。
気づいたら1日に20kmくらい歩いていました。笑
土瓜灣(To Kwa Wan)から地下鉄に乗り、東の方角に進んでなんとなく九龍灣駅で降りてそこから疲れ果てるまで東の方へ歩いてみることにしました。
なにやら市場がありそうな雰囲気が漂う建物があったので入ってみることにしました。
そこには上半身裸で豚肉をぶった切っているおじさんの姿が!
使わない部分の肉が机の下の買い物かごに山盛りになって入れられていて、床にも溢れています。笑
そして、ここでも美味しく見せるための赤い照明が!
このスタイルが香港ではスタンダードの様ですね。
市場を出てしばらく歩くと、良い撮影スポットを発見しました。
インスタでは見たことがない場所ではありませんか!
白に水色のアクセントカラーの高層マンションの間を通る赤いタクシー。
ちょうど良いところに階段があり、高い位置から低い場所、中間の場所、高い場所をバランスよく収めることができました。
●觀塘(Kwun Tong)
良い写真も撮れたし次に行くとしましょう。
觀塘(Kwun Tong)という場所に向かいます。
古くからの工業地帯と栄え、東九龍の交通、商業、行政の中心地ということで人通りや交通量も多い地域です。
工業地帯ということもあり、大量の荷物をカートに乗せて運んでいる人や積荷を出し入れしている人たちを多く見かけました。
この街の色んな場所で見かけたのが壁一面にぎっしりと貼られた求人募集の紙です。
デジタルなものにどっぷり浸かった生活をしている中でこの様なアナログなものを見ると無性にテンションが上がってしまいます。
しかし、この中から自分にあった条件の仕事見つけるのは大変そうですね…。
九龍エリアはいかがでしたでしょうか?
有名なスポットから観光客があまり足を踏み入れないローカルな場所まで色々とご紹介してきましたが、行ってみたくなる様な場所はありましたか?
次回は香港から電車で中国の深圳(Shenzhen)へ行き色んな場所を巡っていきますので、お楽しみに!
Johnny
Instagram: @johnny777
1988年生まれ 佐賀県出身 東京都在住
早稲田大学芸術学校建築都市設計科卒業
iPhoneで撮影することに魅了され写真の世界に入り込む。
空間とスケール、光と影を意識したミニマルな都市風景をメインテーマにする。
2017年apple社の“shot on iPhone”キャンペーンに採用され、世界25ヶ国 のビルボード広告として掲載される。
2018年Unsplash Awards street photography 部門受賞