香港写真旅行記 Vol.1
香港島編
国内外で活躍するInstagramerのJohnnyさん(@johnny777)が1週間の香港〜深圳旅行へ。
香港の2つのエリアと、中国の深圳(Shenzhen)を巡った旅の道のりとともに撮影した写真を見せていただきました。初回は香港島編。
普段からiPhoneを使って様々な街の風景を撮影するJohnnyさんが、tokyo grapherのアタッチメントレンズを用いて撮影した香港の風景をご覧ください。
旅のスタート
時刻は午前4:40 香港国際空港に着陸しました。
天気はあいにくの曇りです。
深夜1時に羽田空港を離陸してから浅い眠りしか取れなかったので、初めて訪れる香港に足を踏み入れた興奮よりも眠気が勝ってしまっています…笑
入国審査を終えて空港ロビーへ向かうとしましょう。
有料ラウンジで仮眠を取ろうかとも考えましたがホテル並みの値段だったので断念しました。
ロビーで深めの椅子を見つけたので、キャリーケースをオットマンの代わりにして足をのせてしばしの仮眠をとるとしましょう。
2、3時間仮眠をとって香港の中心に行き色々写真を撮ろうかと思っていましたが、しっかりと寝ていまい目覚めた時には午前9時に…
「まっ、寝不足でふらふらな状態で写真撮ってもどうせ良いの撮れないからちゃんと寝て体調万全にした方が吉だな。」と自分に言い聞かせるしかありません!笑
今回の旅行の日程は4/28~5/4の7日間で、そのうち2日を中国の深圳で過ごす計画です。
僕は、旅行の時は、ある程度撮りに行きたい場所をリストアップして、あとは適当に街中をぶらぶらしながら撮るというスタイルをとっています。
最初にここに行って、次にここ、その次はここに行くというのが一番効率がいいんですが、それよりも下調べなし、事前知識なしで異文化の中を彷徨う方が五感を刺激されるし、いい被写体を発見した時の感動や喜びが大きいんです。
ネットで色々調べすぎると、実際その場所に行った時に「あぁ、こんな感じね」とそれほど感動を覚えないので、予想外の出会いを期待しつつ歩く様にしています。
香港島エリア
香港はざっくりと分けると
香港島エリアは巨大なオフィスビルやショッピングモールが林立していて香港の中心部エリア
九龍エリアはこれぞ香港という景色を見ることができる賑やかなエリア
新界エリアはよりローカルな香港を楽しむことができるエリア
といった3つのエリアに分かれています。
今回の旅では香港島エリアと九龍エリアを巡り、その後香港から電車で行ける中国の深圳へ向かいました。
中環(Central)周辺
中環(Central)は読んで字のごとく香港の中心地で金融、ビジネスの中心で超高層ビルが立ち並んでいます。
そんな中環(Central)で写真を撮るなら...
香港駅からIFCモールを抜けて出てすぐのInstagramでよく見るこの場所!
黄色いラインの上を走る赤いタクシーを撮りたかったのですが、タクシー1台だけ通り過ぎるタイミングはなかなか来ないのでじっくり待つしかありませんでした。
中環(Central)駅から少し南側に行くと香港を代表する建築家のイオ・ミン・ペイが設計した中国銀行タワーをはじめとする超高層ビルが立ち並んでいます。
しかし、駅周辺の様にビルの隙間に道路があるという印象ではなく、空地をしっかり確保しつつ建設しているので圧迫感は感じませんでした。
● 上環(Sheung Wan)
ここは上環(Sheung Wan)駅から400m程南にある文武廟です。
文武廟とは文学の神と戦の神を祀っている香港最古の道教寺院です。
線香の煙が漂い、そこに窓から差し込む太陽光が筋になって見えてなんとも神々しい雰囲気を感じます。
そのはずだったんですが…
訪れた時間帯はあいにくの曇りで光の筋を見ることはできませんでした…「また来てね」という神様からのメッセージだとポジティブに考えることにしましょう笑
光の筋はありませんでしたが提灯の光と、祭壇のロウソクの暖かい光が厳かな空間を作り出していました。
僕は室内で撮影する時はWide Lensをよく使用します。
室内全体を写そうとすると出来るだけ部屋の隅から撮った方がいいんですが、iPhoneの標準レンズの画角ではなかなか全体を写すことはできないことがよくあります。
しかし、Wide Lensをつければより広範囲に写すことができるので室内の雰囲気をしっかり捉えた写真を撮ることができます。
● 太平山(Victoria Peak)
香港島の景色を楽しみたいならここ太平山(Victoria Peak)は外せません。
文武廟からなんとなく太平山の方に向かってると急な坂が出現しだします。
その坂をなんとなく登って行きます。
結構な高さまで来て疲れて来たのでトラム※に乗って山頂を目指そうとするも駅がかなり遠くにあることに気づきました。
それならもう徒歩で登ってしまって帰りのトラムで下りるとしましょう。
考えが甘かった...
激しくなる勾配。
なくなる水。
暑い。
辛い。
しかし引き返えす訳にも行かない場所まで来てしまっています笑
もう気合いをい入れて登るしかありません!
もう気合いをい入れて登るしかありません!
水分補給を済ませ、もう少し(1.3km)歩きピーク・サークル・ウォークという山頂を一周しているウォークングコースの途中にある盧吉道觀景台というポイントへ向かいました。
ここは人も少なく周りを気にせず写真を撮ることができるのでお勧めのポイントです。
このポイントから香港の高層ビル群を俯瞰してみると過密さが一段と際立って見えます。
遠くのものを撮影する際にiPhoneの望遠側レンズを使用してもまだ足りない時は、Tele Lensを望遠側に付けるのがオススメです。
デジタルズーム使用すると画像が荒くなってしまいますが、Tele Lensの場合はその心配はありません。
ただし腕をしっかり伸ばしたり、体や肘を柱や手すりに着けたりして、できるだけ手ブレや体のブレを抑える必要があります。
写真も撮れたし、下りるとしましょう。
確か、トラムの駅は山頂から少し降りたところにあると地図に載ってたな。
悲劇が起きました…
なんとトラムが整備工事中で乗れない...
知らなかった...まさかの事態です...
引き返すか?このまま歩いて降りるか?
引き返してバスに乗る方が楽ですが、ここはあえて歩いて降りましょう!
こうしてまた2時間余りかけて街まで降りました。
しかし結果的に降りる途中でいい写真が撮れたので結果オーライ!笑
想定外のハプニングも楽しんでしまうポジティブ思考は大切ですね。
その方が、思い出に残るし、こうやって人に話す時のちょっとした小話になりますし。
山登りで疲れたのでタクシーで次ポイントへ行くとしましょう。
香港でタクシーに乗って感じたのは日本に比べ圧倒的に安いということです。
初乗り料金が2kmまではHK $24(日本円で¥330)
2kmを超えると200メートルごとにHK $1.2が加算されます。
5km先の場所に行く場合(東京駅〜上野駅間くらい)
2kmまでのHK $24+15×HK $1.2=HK $42(約¥580)
となり東京駅〜上野駅間の約¥2,090と比べ¥1,510も安いんです。
電車の乗り換えに不安な人はタクシーを利用するのが良いかもしれません。
●ハリウッドロード、グラハムストリート
ここはハリウッドロードとグラハムストリートが交わるところにあるここもInstagramでよく見かける場所です。
中環(Central)駅から歩いて約8分、文武廟からも歩いて約6分とアクセスも良好な場所にあります。
このエリアはグラフィティが結構あるので、ぶらぶら歩いているだけでも目を楽しませてくれます。
写真を見ての通り、結構な勾配の坂道で平坦な土地は駅周辺だけで少し太平山の方へ行くと坂道が姿を現す。
狭い路地に描かれたグラフィティを撮る時はWide Lensが活躍します。
絵の全体を写したい時にお勧めです。
正対ではなく少し斜めから撮ることで奥行き感を出しつつ絵の全体と場所の雰囲気を出すことができます。
銅鑼湾(Causeway Bay)周辺
次は、銅鑼湾(Causeway Bay)周辺に行ってみましょう。
ここは有名ブランドからリーズナブルなブランドまで揃うということで若者に人気で、駅直結のSOGOやタイムズスクエアなど大きな百貨店もあり、迷ったらとりあえずここい行けば間違いないという様なショッピングエリアで賑やかな街です。
交通量も多く、トラムや2階建バスがひっきりなしに行き交ってて活気にあふれています。
Wide Lensを使い低い位置から煽って撮ることでトラムと2階建バス、そして建物の先端まで収めることができ、街の雰囲気を掴むことができました。
近くのものはより近く、遠くのものはより遠く感じるWide Lensで撮ることでトラムの線路が遠くまで続いている感じを出すことができました。
銅鑼湾(Causeway Bay)周辺ではTele Lensで撮影する機会が多くありました。
人が多い場所でWide Lensを使うと撮りたいものよりも、意図せず写ってしまうものの方が多くなってしまい何を撮ったのかよく伝わらない写真になってしまうからです。
歩いていてパッと気になったものを瞬時に撮るなら、Tele Lensを付けっ放しにしておくことが良いかもしれません。
太古(Tai Koo)周辺
次は太古(Tai Koo)周辺に行ってみましょう。
ここ太古(Tai Koo)は中環(Central)、銅鑼湾(Causeway Bay)に比べかなりローカルな雰囲気を感じることが出来るエリアで人の“生活感”が漂っている印象を受けます。
個人経営の魚屋や八百屋があり、そこで買い物をする人がいて、建物もいい感じに古く汚れていて、人の営みの歴史を感じます。
そんな太古周辺でのお目当ては駅から歩いて3分程度の場所にあるInstagramでおなじみのあの集合住宅“益昌大廈”です。
ここでもあいにくのどん曇りで少々暗いがですが仕方ありません。
まずはWide Lensで定番の構図で一枚。
より建物の足元を写したいならばWide Lensを付けてしゃがんで撮るのがおすすめです
定番の撮り方以外に何か新しい撮り方はできないかとあれこれ考えて撮った写真がもう一台のiPhoneの画面のリフレクションを利用する撮り方です。
iPhoneのカメラのレンズをできるだけ画面に近づけて一番良い感じに反射する角度を見つけるのはなかなか大変でした。
この建物の1階には日本のコーヒーショップ“% Arabica”があるので、撮影がひと段落したのでここでコーヒーブレイクといきましょう。
香港島を3つエリアそれぞれ違った雰囲気があり、撮影してもし足りませんが、次は海を渡り九龍エリアに行こうと思います。
だいぶ長くなってしまったので続きは次回ということで。
お楽しみに。
Johnny
Instagram: @johnny777
1988年生まれ 佐賀県出身 東京都在住
早稲田大学芸術学校建築都市設計科卒業
iPhoneで撮影することに魅了され写真の世界に入り込む。
空間とスケール、光と影を意識したミニマルな都市風景をメインテーマにする。
2017年apple社の“shot on iPhone”キャンペーンに採用され、世界25ヶ国 のビルボード広告として掲載される。
2018年Unsplash Awards street photography 部門受賞